Park Yujin

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The Maughan Library at King's College London

なぜ私はこれほどまでに靴に魅了されているのか... 機能美としての美しさだけでなく、女性としての自信をくれるパワーストーン的な何かを感じる。 「魅了」という単語は、私にとってまさに「靴」をあらわす。

ハイヒールを履くと、別世界に行く心構えができる。 日常を非日常に変える手段として、魔法としての靴。 現実的に生きている傍ら、靴をみると本来自分が持っているトキメキ・femininity・子供心が蘇る。そういった意味で靴は私のアイデンティティの一部だ。

靴に魔力を見出しているのは私だけじゃない。というのも、靴が物語のキーになっている作品は少なくない。 代表的なのはシンデレラやオズの魔法使いなどか。 オズの魔法使いの引用に、There's no place like home がある。 靴を3回叩いたら現実に戻る。だったと思う(そこら辺は曖昧)。

シンデレラはガラスの靴を履いて、灰かぶりからプリンセスへ。 ドロシーは赤い靴を履いて、カンザス州の一少女から魔法使いを倒す救世主へ変身する。 靴は非日常世界へ誘うモチーフとして、あるいは退屈で鬱々とした日常から解放するアイテムとして、世紀を跨いで女性を魅了し続けている。そんなこんなで私も靴の魔力に魅せられてしまった。多分死ぬまで魅了され続けるだろう。

小さい頃には感動していたものが、今では何も感じないというのは少なくない。例えば景色や旅など。だけど靴だけはいつまでもずっと私の心をときめかせてくれる。今の生活はそれなりに楽しいが、ポートキーとしての靴に魅了され続けている私は、いつか誰か(何か)に、別世界へ攫われることを心の奥底で望んでいるのかもしれない。

しょこまる